2010年10月の記事
2010年10月21日 カテゴリー:授業紹介
毎年後期に開講している「アニメーション論B」は
私の専門分野でもある人形アニメーションの歴史と技術とその発展など
人形アニメーション独特の様々な表現法を紹介する90分の講義授業です。
チェコのイジィ・トルンカから始まり、同じチェコのカレル・ゼーマン、
ハンガリー出身のジョージ・パル、ロシアのラディスラフ・スタレビッチ、と
内容は作家またはテクニックのくくりで毎回テーマが替わります。
単なる紹介ばかりでなく、学生達が興味を持ってその後に各自がそれらを探して見るように、楽しく見せようというのが、この講義のポリシー。
今進めているのは「レイ・ハリーハウゼン」の巻。
いわゆる<お人形さんお人形さんしたアニメーション>とは違う
映画の特殊効果(スペシャルエフェクト)として人形アニメーションを用いて成功した作品群の紹介。
「キングコング」のウィリス・H・オブライエンから始まり、それを単なる怪獣映画からファンタジー映画にまで表現を広げたハリーハウゼンの偉業と、それに影響された後続者たちの進んだ道。
私自身がアニメーションの道に進む大きなきっかけとなった、敬愛する特撮の神様=レイ・ハリーハウゼン先生に関して熱く語る!この講義の1つの山場です。今期は調子に乗って、このテーマで3週間やります!ハハハ・・・
講義にはアニメーション専攻の学生ばかりでなくグラフィックや室内建築
テキスタイルに映画、写真、サステナブルなどといった、他の専攻領域の学生も履修出来るので、履修者も軽く100人を越える大家族授業です。
来週のテーマはいよいよ
<そしてそのコマ撮り恐竜たちは、なぜ絶滅の危機に陥ったのか!?>
それが終わると、その翌週からテーマは<クレイアニメーションの歴史>に入ります。面白そうでしょ?
2010年10月16日 カテゴリー:ZOKEI ANIMATIONS, おるすばん
ZOKEI ANIMATIONSの中から
もう1つ『おるすばん』という作品を紹介します。
制作したのは坂元 友介(さかもとゆうすけ)さん。
東京造形大学アニメーション専攻領域の第1期生です。
高校時代からアニメーションを作り始め
東京造形大学に入学してからも
『在来線の座席下に住む男』『焼魚の唄』
『電信柱のお母さん』『蒲公英の姉』などなど
人形や切り紙、そして手書きのアニメーションと様々なテクニックを使ったそのユニークな作風と発想が話題となり、各種コンテストで多数受賞!NHKのデジスタでも紹介!と、それはそれは大活躍でした。
大学卒業後は東京造形大学大学院に進み、更に腕を磨き、修了制作として作られたのが、この『おるすばん』です。
彼はアイデアの宝庫で、色々なお話しを思い描き、空想するのが好き。
『おるすばん』はそんな彼が「絵本のようなアニメーションを作りたい!」というアイデアからスタートしたものです。
幾つもの章からなる、組曲のような作品です。
出来れば画面を大きくして御覧下さい。
■『おるすばん』/ 坂元 友介 2009年(12’15)
個人作家として下北沢で特集上映会を開いたりした後に
大学院を卒業した坂元さんは、CMの制作会社の演出部に弟子入りし、ああ早くCM作家としても1本立ちがしたい!と夢を抱きながら、現在も多忙な毎日をめくるめく送っているようです。
頑張れ東京造形大学OB〜!
2010年10月12日 カテゴリー:ZOKEI ANIMATIONS, くじびき
ZOKEI ANIMATIONSの中から
今日は『くじびき』という作品を紹介します。
作者は李 東勲(イ ドンフン)さん。
韓国からやって来た留学生で
東京造形大学の大学院で3年間学びました。
『くじびき』はそんな彼の修了制作です。
実は彼、大学院の修了制作として本当は別の作品を計画していたのです。
ところがどうしてもその作品が卒業に間に合わず、替わりに以前から制作を続けていた、この『くじびき』を仕上げて、何とか修了に漕ぎ着くことになりました。
まずは、色々と思いの詰まった彼の作品を御覧下さい。
■『くじびき』/ 李 東勲 2008年(5’45)
卒業後も制作を続けていた本来の修了制作となる『夢の案内人』は、卒業して1年以上経った今年ようやく完成!
先日東京と京都で催されたICAF2010で東京造形大学の代表作品の1本として、めでたく上映されました。
アニメーションは一日にしてならず!と言うことでしょうか?
スローペースながらも着実に制作を進めている李 東勲(イ ドンフン)さんの今後を応援したいと思います。
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